新着情報

剱岳に初めて登ってきました

以前から一度は登ってみたいと思っていた剱岳に73歳で初登頂を思い立ちました。とても一人では登れないと思い山好きの次男に今年の始めに剱岳へ登る試みを相談してみた。7月6日に鳴谷山登山に同行してもらい、脚力のチェックをしてもらった。鳴谷山への登りは標準タイムに近かったが、降りは標準タイムの倍近い時間が必要だった。登りで足の筋力を使いすぎて降りで足がついていけなくなってると判断され、スクワットで筋トレをすることや単なる平地のウォーキングでなく近くの樹木公園の山道を利用するウォーキングをすることなどの助言を受け、筋力の増強に努力した。また、鎖場での対応力をつけるため、9月6日に鳶岩でのトレーニングを実施してもらい、岩場での3点支持の実際的な指導を受けた。このような努力をした上で、剱岳初登頂を次男にガイドをしてもらい、2019年9月19日(木)、20(金)、21日(土)の日程で実施した。天気予報は19日、20日は晴れ、21日は曇りと雨であった。

室堂から剱岳までのGPSの往復記録

室堂から剱岳までのGPSの往復記録

最初に、この剱岳登山のGPS記録をGoogle Earthで、作成した3D地図上に表示し、登山の概要を以下に示します。

2019年9月19日(木)午前9時40分のケーブルカーに乗り、バスを乗り継いでに立山室堂に11時10分に到着。室堂を午前11時30分出発、雷鳥坂を登り、劔御前小屋を経て劔御前の岩稜帯を横切って、宿泊先である劔山荘(2472m)に午後3時30分頃に到着した。この日の夕食は屋外のテーブルを利用して自炊した。翌朝20日(金)の午前4時30分に剱岳登山を開始した。剱岳頂上へは午前9時10分頃に到着した。登頂に約4時間40分を要した。剱岳山頂を午前9時40分に降り始め、劔山荘へは午後3時到着した。山頂からの降りに約5時間20分を要した事になる。これは、劔と前劔の間にある平蔵の頭と前劔の門までのガレ場、また前劔と一服劔の間にある長いガレ場の降りに神経を使い、慎重を期した為と思う。

73歳での初登頂であること及び自分の体力を考慮して、この日の行動は剱岳往復だけにして劔山荘に再泊した。翌朝21日(土)午前6時26分に劔山荘を出発し、劔沢キャンプ地を経由して劔御前小屋に午前8時30分に到着した。劔山荘から別山乗越まで約2時間で登り返し、10分休憩の後、午前雷鳥坂を降りて室堂までの遊歩道を登り返し、午前11時50分に室堂バスターミナルに到着した。天気は予報通り、19日、20日は晴れ、21日は小雨となった。剱岳の登山日は快晴に恵まれ、無事実施できた。剱岳登山の詳細を以下に記載す。

2019年9月19日(木)快晴です。立山室堂を午前11時30分に出発し、これから劔山荘に向かいます。

 

別山乗越から見る劔岳と白馬岳の主な山名入り写真。

 

宿泊先である劔山荘(2,472m)に午後3時30分到着。一服劔(2,618m)及び前劔(2,812m)。剱岳本体は前劔に隠れて見えない。

 

 

9月20日午前4時に起床し、午前4時30分に剱岳山頂を目指して劔山荘を出発した。

前劔手前の大岩近くのガレ場を登る

前劔手前の大岩近くのガレ場を登る

一服劔(2618m)の前に二つの鎖場がある。一服劔山頂からは前劔(2812m)が一望できるが、剱岳本体は前劔の陰になって見えない。一服劔(2618m)に到着する頃には陽が登り、辺りはすっかり明るくなっていた。一服劔の稜線を30mほど降り、武蔵のコルを通過し、そこから前劔へ向かってガレ場を大岩まで急登する。この辺りは浮石が多く落石を起こさないように細心の注意が必要で、下山時の事故多発地帯でもあるとの助言を次男より受けた。大岩の左を抜けると少し長めの第3の鎖場が出てくる。この鎖場を通過すると稜線に出る。このあと前劔頂上に出る前に短い第4の鎖場がある。この鎖場を終えると前劔の頂上となる。

 

前劔頂上から直下の4mブリッジと右への第5の鎖場を見る

 

前劔頂上の直下に4mほどの狭い橋とすぐ右に第5、第6の鎖場がある。ここを登って稜線に出る。この場所は前劔の門と呼ばれる狭い鞍部である。しばらく稜線の右側の登りが続くが、やがて稜線を横切り、稜線の左側を登り平蔵の頭(ズコ)と呼ばれる所を右側に巻く第7の鎖場が出てきて、スラブ状の岩壁を登る。この鎖場を通過後も、稜線の右側に沿って登って行くと第8の鎖場に出る。ここを通過すると平蔵のコルに到達する。

平蔵のコルから剱岳本体とカニのたてばいを見る

平蔵のコルの先で道は登りと降りに分かれ、登りはカニのたてばい、下りはカニのよこばいと呼ばれている剱岳の難所となる。第9の鎖場になるカニのたてばいは、八月のピークシーズンでは登るための鎖を待つ登山者が数珠繋ぎとなり時間待の必要があるとのことであるが、この日は混雑は全くなくスムーズに鎖に取り付くことができた。

写真中央の白い表示盤の近くにカニのたてばいの最初の鎖があり、岩壁の一番上まで30m程登りますが、足場が適当な間隔で付いており高所恐怖症でない限り登って行けます。

カニのたてばいを登り切り、その後、少し登ると早月尾根からの道との分岐点になる。分岐点を過ぎると剱岳の頂上(標高2,999m)となる。この日は快晴で、360度の眺望があり、北アルプス、中央アルプス、南アルプス、富士山、八ヶ岳が見えました。

ガイドをしてくれた次男と感激の記念撮影です。

 

剱岳山頂から乗鞍岳、槍ヶ岳、穂高岳、木曽駒ヶ岳、北岳、富士山、八ヶ岳(赤岳)などを確認できました。

平蔵の頭の第7の鎖場手前の稜線から白山を撮った写真に主な山名を記載した。

剱岳山頂から鹿島槍ヶ岳方向を見た山名入りの写真。

 

剱岳山頂から白馬岳、唐松岳、五竜岳方向を見た山名入りの写真。

 

カニのよこばいの最初の降り場を撮った写真です。

帰りの最初の鎖場はカニのよこばいと呼ばれますが、これは剱岳全体では第10番目の鎖場です。写真はその最初の取っ付き部分です。一見、凄そうな鎖場ですが足の置き場には赤く色が塗ってあり、それを辿り、3点支持の原則を守れば渡ることが出来ます。

 

カニのよこばいを3点支持で降りてる所です。カニのよこばいの後、ステンレス製の垂直ハシゴを下り、平蔵のコルに下ります。

平蔵のコルを過ぎた後、鎖のない岩場を3点支持で渡ってます。ここを渡った後、第11番目の短い鎖場が出てきます。

この後、第11番目の鎖場を降り、平蔵の頭では、帰り道は行き道と異なる道を通ります。帰り道は第12番目の鎖場を稜線の右側に沿って登り返します。剱岳に行く時は第7番目の鎖場で稜線の右側に沿って降りましたが、帰り道は稜線の左側に沿った道を鎖で登ります。その後、稜線を横切り、行き道と同じ道を前劔の門まで下ります。前劔の門からの帰り道は第13番目の短い鎖場を経て稜線の左側に沿って登り返します。この第13番目の鎖場を過ぎて、進行方向左を振り返ると行き道で説明した前劔頂上直下にある4mの狭いハシゴ道を見ることができます。帰りの道は前劔の頂上は通らずに稜線の右脇を通り、その後、稜線を横切って行きの道と合流します。

前劔頂上を迂回し、第4番目の鎖場を通り、稜線に出て行き道と合流した後、第3番目の鎖場を下ります。この後、大岩の右横を下り、急斜面のガレ場を落石や浮石に注意して慎重に武蔵のコルまで下ります。武蔵のコルから一服劔まで登り返します。一服劔まで戻れば、後は第2、第1の鎖場を通過して剣山荘まで危険な岩場は無く山道を下るだけです。

無事に劔山荘に戻って緊張から解放された安堵のピースです

 

登りよりも下山に時間が掛かりましたが、無事に剣山荘まで降りることができました。登山による筋肉疲労はあまり無かったのですが、岩場やガレ場に神経を使った為、精神的にはとても疲れました。それにしても73歳で剱岳に登れるとは思っていなかったので、感激してます。リュック無しの登山を可能にしてくれただけでなく、色々と適切な助言をしてくれた次男に感謝です。

 

劔山荘の一階、食堂へ続く廊下。

劔山荘はとても綺麗で快適でした。男女別のトイレは水洗ですし、男女別のシャワー室もあります(使用は午後5時まで)。剱岳から戻ってきてシャワーを使いましたが、汗を流すことができてとても良かったです。

食堂での食事に関しては二泊とも自炊だった為、残念ながらコメントできません。

 

小雨の中、室堂へ帰ります。

 

9月21日(土)は天気予報通り、小雨となりました。劔山荘を午前6時30分に出発し、劔沢キャンプ場を経由して、劔御前小屋に午前8時30分に到着した。

 

 

劔御前小屋から雷鳥坂を降り、みくりが池付近の遊歩道を登っている時に、雷鳥が姿を見せてくれました。これまで立山には5、6回は来ているが、雷鳥を身近に見たのは初めてである。雷鳥は、すぐ近くで写真を撮っている人が何人もいたが、殆ど気にせずじっと静止していた。

室堂には12時頃に到着し、午後12時40分のバスに乗車できた。室堂到着する頃には小雨も止んで曇りになっていた。

 

 

 

コメント投稿フォーム

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

1件のコメント

  1. 大石藤夫 より:

    2度寝の前にちょっと覗いてみました。楽しいブログですね。
    だいぶ眠くなったので、ほかのところはまたの機会に
    アドレス登録Rくしておきます